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2020年4月

2020年4月13日 (月)

ルシア・ベルリン著「掃除婦のための手引書」 岸本佐知子訳 講談社

Photo_20200412165201ルシア・ベルリン著「掃除婦のための手引書」 ルシア・ベルリン作品集

この本は昨年随分と話題になっていたのですが、タイトルがHow toもののようで少し敬遠していました。
しかし小川洋子さんが2019年のベスト1に選んでおられたので(FM東京 Melodious Library)今回読もうと思うに至りました。

作者ルシア・ベルリン(1936~2004 ガンのため逝去)はアメリカ人。鉱石技師の父についてアラスカほかアメリカ各地・チリ・メキシコなどで暮らした。教師・看護師・掃除婦などの様々な仕事を経験し、2度の結婚と離婚をし4人の息子を育て、最後は病気を抱えながらひとり静かに暮らした人。

この本には24の短編が収められている。なのでルシア・ベルリン作品集となっている。
一編はわずか1ページ半ほどのものから、長くても20ページほど。

ほとんどの書き手はルシア自身なのだが、場末のコインランドリーでタバコをふかしている彼女が居たと思うと、次の話では歯科医の祖父を手伝う少女のルシアがいる。酩酊して事故を起こし息子に心配される彼女。母親との関係に悩む彼女。刑務所で文学を教える彼女。死期の近い妹を看護する彼女。
作品ごとの時間軸は飛び飛びなのだ。そして作品ごとに彼女を取り巻く環境が全く違う。波乱万丈と言うのとも違うかもしれない。それはいつでもルシアはルシアだからだ。他人との距離感、家族・肉親との間にも感じる距離感があって、それがルシアを個性的で確固たる女性に見せているのではないだろうか。
距離感はあっても他者を認め、自身をも認める、潔い女性である。

この作品集の中で私が好きな作は「ソー・ロング」「さあ土曜日だ」「巣に帰る」
「巣に帰る」はこの作品集の最後に収められていて、彼女の最晩年を描いているようだが、落ち着いた作品である。

本作を読んでいて私は武田百合子を思い出した。
文章に飾り気なく、それでいて細かな気づきや観察が織り込まれている。全体に木綿のような感触。
女性の短編ではアリス・マンローの作品が私は好きだが、ルシア・ベルリンのこの作品集はアリス・マンローを気取っていると感じてしまうほどに素直に心に染みた。
本を読み進めると段々と本の終わりが近づいてくる。それが悲しいと感じたのは「100年の孤独」を読んだ時以来だった。

人生いろいろあっても、長い短いがあっても、こうやってルシアのように最後を迎えられたらよいのではないかと思う。

新型ウィルスで世間も心もざわつく今日この頃、是非読んでみてください。

 

 

2020年4月12日 (日)

第12回ギタアンOB会は中止とします。

6月27日㈯に開催を予定しておりましたギタアンOB会は新型ウィルス感染拡大予防の観点から中止とすることにいたしました。
大変残念ですが、また来年松本にご参集ください。

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