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2010年9月20日 (月)

「シューマンの指」

今日は奥泉光著の「シューマンの指」という本の紹介です。

シューマンの指 (100周年書き下ろし)

シューマンの指 (100周年書き下ろし)

著者:奥泉 光

シューマンの指 (100周年書き下ろし)

アマゾンのあらすじによると「天才美少年ピアニスト修人と『わたし』の通う高校で深夜に女子高校生が殺された…」とありますが、殺人も犯人探しもこの本の主題ではありません。
犯人探しを楽しみたいミステリーファンの方には向いていません。

では、この本の主題は何か…それはまさにシューマンの音楽性と人間性そのものではないかと思います。
シューマンの作品の中に「クララのモチーフ」が織り込まれているように、「シューマンの指」の中に著者の音楽に対す一つの疑問が織り込まれています。<すでに楽譜として完成されている音楽を演奏家が演奏する必要があるのか>という疑問です。
この疑問が時々作品の中に出てきます。

「ダヴィッド同盟」はフロレスタンとオイゼビウスをシューマンの分身としてシューマン自身が書いた音楽評論の日記ですが、この「ダヴィッド同盟」がこの本のなぞ解きのカギです。

最後にどんでん返しがありますから「え~っ!そうだったの!」と驚きましょう。
でもプロットの種明かしや真犯人が誰なのかはこの作品を複雑にするためのモチーフの一つで、別に犯人がだれであってもいいのではないかと思います。

「シューマンの指」の階層構造がシューマンの音楽や複雑な内面を表しているようです。

シューマンという人は周知の通り、最後には精神病院で亡くなります。
将来有望なピアニストだったシューマンは右手の薬指が動かなくなり作曲家に転身します。
シューマンの音楽のガラスのような美しさは性格によるものなのか、意図したものなのかはわかりませんが、とにかく美しいです。わかりにくいところはありますが…。

この本の冒頭に出てくるシューマンの「ピアノ協奏曲イ短調」。
実はウルトラセブンの最終回「僕は人間じゃないんだよ」というあの有名なシーンのバックに流れています。
驚かすような和音にはじまり、そのあと弁解するように続くアルペジオがまさにこのシーンにぴったりです。

またこの本の後半にずっと流れる「幻想曲op17」は特に第3楽章が美しいです。

どんな曲なのかちょっと聴いてみたい方はナクソスのHPで冒頭30秒無料視聴できます。
http://ml.naxos.jp

シューマンの人となりをざっくり知りたい方は映画「クララ・シューマン 愛の協奏曲」をどうぞ。
映画としては60点だと思います。

奥泉ワールドに浸りたい方は「神器ー軍艦『橿原』殺人事件」がおすすめです。
アマゾンレビューによると「シューマンの指」が星4つ半「神器」は星3つ半ですが、
私的には「神器」のほうがわけがわからなくてかなり面白かったです、星4つ半。

長くなってしまいました。ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

次はブラームスと映画のおすすめを書こうかな…

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コメント

こんにちは。お久しぶりです。お元気ですか??
ブログをご紹介くださって有り難うございます。見にきます!!

シューマンはロマン派音楽を代表する作曲家であるので、ロマン派の曲が好きな私は、シューマンの「アラベスク」が好きです。
「シューマンの指」という本・・・
初めて知りました。とても面白そうなので、是非一度読んでみたいと思います♪

また11月に安曇野でお会いできますことを楽しみにしております。

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